もらったパンを食べながら尋ねると、それをみた朝見が嬉しそうに微笑んで『うちの妹が一回しか見たことないのに御影がすごい人ってずっと言ってたから』と言った。
『妹?』
『そう。俺2個下に妹がいてさ、これがまた可愛いんだよな』
そういえば、妹がいるようなことを無視していた時も言っていたなと思い出した。
妹と俺はどこで会ったんだろう。
まったく思い出せない。
『シスコンかよ』
『うん、自覚はある』
『で、その妹は俺をどこで見たって?』
『パーティーだよ。俺が熱出していけなかったから代わりに急遽、優生が行くことになって。もう何年も前の話だけど』
『ふーん』
優生というのはきっと妹の名前だろう。
俺がすごい人って一体何がすごかったんだろうか。
俺の何を知っていてすごいだなんて思うんだ。
『自分とそんなに歳が変わらないのにしっかりしてたって言ってたよ』