『一緒に食べよう』 そう言って食堂で売っている人気ベーカリーのパンを取り出してその一つを俺に渡してきた。 『……なんなんだよ、お前』 『俺たち友達って言ったじゃん』 曇りのない澄んだ瞳で、当たり前かのように吐き出された言葉に俺は目を見開いた。 だって、今までの人生で俺は“友達”なんていたことがなく、近寄ってくる人間はみんな何かを企んでいた。