そして家に着くなり、琉世さんの部屋に連れてこられた。


ガチャ、と部屋の扉が閉まる音だけで緊張してしまってどうにかなりそう。



「今すぐ俺に抱かれるか、俺にキスするかどっちがいい?」



熱のこもった甘い瞳で問いかけられる。

こういう時も琉世さんは意地悪なんだもん。



「……どっちもやだって言ったら?」



せめてもの抵抗だと思い、そう言いながらじっと見つめて首を傾げると、



「今夜は眠れなくなるだけ」



ギシッ、と軋んだスプリングの音が聞こえると同時にすっと口角の上がった薄い唇から甘く低い声が落ちてきた。


そのまま降ってきたキスを受け入れ、この時間にとろけてしまいそうな危険な毒に酔いしれていく。