結局、車に乗って久しぶりに帰ってきた家に着いてもクリスタルリングのことは話せなかった。 もし、あの指輪を失くしたことを琉世さんが知って、嫌われるのが怖かったから。 この幸せをもう手放すのが嫌だったから。 つくづく、そんな自分に嫌気がさすけど言えない。 あと少し、あともう少しだけこのままで。 明日からもクリスタルリングは探すから。 そう心の中で自分に言い訳をした。