しばらくして舌先で唇をこじ開けられ、求め合うように絡み合い、口から甘い声が洩れる。



「キス、上手になったね」



一瞬、唇が離れたときにそんな言葉が耳に届き、閉じていた目を開けると、満足そうに口の端を上げている琉世さんが視界に映った。



「それは琉世さんが……」


「俺はまだまだ足りてないからちょっと黙ってて」



琉世さんがたくさんキスしてくれるから、と言おうとしたのに再び唇を塞がれて何も言えなくなった。