琉世さんが後悔の中で生きていくことなんて望んでいない。



「お前たち兄妹はほんとに優しいな」



瞳を切なげに揺らしながらぽつりと呟いた声は空気の中に溶けて消えた。



「琉世さんが優しい人だからだよ」



みんなは冷酷だとか非道だとか言うけれど、彼はちゃんと優しさを持っている人だと思う。


地位のある人は時に冷酷さも必要だから仕事をしているときの彼は冷たい人に見えてしまうんだ。