わたしの視線の先で甘い熱に溶けた瞳が優しく弧を描いた。 その熱に侵されたわたしはもう戻ることはできない。 わたしだって、何億倍も琉世さんが大好きで大切なのだから。 言葉でちゃんと伝えたいのに声にならず、代わりに大粒の涙が頬を伝う。 「うぅ……っ」 「泣き虫な優生ちゃん、これはどうすんの」 そう言ってわたしが書いた離婚届を目の前でひらひらと見せてくる。 どうするのって……。