琉世さんはそう言いながらわたしの隣に来てぐいっと腰を抱いて引き寄せた。 ホワイトムスクの香りが鼻を掠め、ドクンと心臓が大きく跳ねる。 「だったら……!」 「でも、お前じゃ一生無理」 「は?」 「だって、コイツ泣くほど俺のこと好きなんだもん」 「っ、」 琉世さんが余裕の笑みを浮かべると真田くんは悔しそうに唇をぐっと噛み締めた。