「み、かげさん……」



わたしと真田くんの間に割って入るようにして立っていたのは会いたくてたまらなかった彼だったから。



「お前が噂の真田クン?誰かと思えば真田グループの坊ちゃんじゃねえか」



地を這うようなひどく温度のない声色で、その顔は笑っているのに目に光は宿っておらず、まったく笑っていなかった。


思わず、ゾクリと背中に冷や汗が流れてしまうほど琉世さんは怖かった。


いや、この感じは怒っているんだと思う。


さすがの真田くんも顔が恐怖で歪んでいる。



「人のもんに手ぇ出すなって親から教わらなかった?」