「はい、これ。大したものじゃないんだけど……プレゼント」
しばらくして琉世さんが落ち着いたのを見計らって隠していたプレゼントを渡した。
「ありがとう」
「あの、ブランド品とかじゃないから申し訳ないんだけど……」
「お前からもらえるなら何でも嬉しいし、大事にする」
琉世さんは柔らかい声色でそう言うと、優しく目を細めた。
その言葉に胸がじんわりと熱くなっていく。
喜んでもらえてよかった。
余計なことして嫌われてたらどうしようってちょっと不安だったから。
「ブレスレットじゃん」
箱の中身をみて、嬉しそうに口元を緩めながらさっそくブレスレットを付けてくれた。
「やっぱりすごい似合ってる!」
琉世さんはかっこいいから何を付けても似合っちゃうのがズルい。
「なあ」
「ん?」
「アクセサリーを贈る意味って知ってる?」
口角を斜めに上げながら言った琉世さんの顔は先程とは違い、意地悪をするときの顔だった。