御影さんの言う通り、わたしは期待してる。

この先に進むのは怖いけど……怖いのにこんなにもわたしの細胞が御影さんを求めている。


好き同士じゃなくたって、愛し合えなくたっていい。

わたしは御影さんの隣にいたい。

小さい頃から何かを欲しいと思ったことなんてなかった。


それでもわたしは今、この人がほしい。

それはもうどうしようもなくほどに。



「早く……っ、御影さんちょう、だい……っ」


───理性なんて、もうとっくに壊れている。


「お前はこれからも俺だけしか欲しがんなよ」


わたしを見下ろす熱の篭った深い漆黒が満足そうにすぅっと弧を描いた。


「可愛すぎてたまんない、優生」


御影さんがわたしの額にちゅ、と短いキスを落としてそう呟いたのが落ちていく意識の中で聞こえた気がした。