咲夜ともっと早く京へ行く話しを勧めていれば… 雪美まで怖い思いをしなくて済んだのかも知れない。



全ては俺の責任、やはり俺は疫病神だ。



俺は幸せになっちゃ行けない人間、最愛の女1人守れなかった自分は未来永劫、幸せになる資格などない。



… 鈴香、お前を1人で逝かせてごめんな。



尋常じゃない程の出血量から、意識混濁させる蓮稀は " 鈴香… " と、自分が唯一愛した女の名前を、小声で呟くように呼んだ。



会いたい、鈴香に。鈴香…



「お前はまだあんな外道の名を呼ぶのかい!!!」



鈴香の名前を聞き、金切り声を上げたおすずは怒り狂い蓮稀を殴りながら言葉で罵倒する。



「お前は私のもの!!あんな小娘に絶対渡さないよ!」



「……。」



「お前は死んでも、生まれ変わってもずっと私の言いなりでいればいいんだよ!私に逆らう気かい!!」



この人はどうしてここまで自分よがりなんだろうか… 俺は人形じゃない。人の心だけは、無理矢理縛り付ける事など出来やしないのに。



「なんだい反攻的なその目は!!お前は私のものだ!!!」



怒り狂うおすずは小刀で蓮稀の薬指を切り落とした。