" 咲夜さんがどうなってもいいんだね! "



おすずの言葉が頭から離れない雪美は、逆らうに逆らえず屋敷へ足を踏み入れると息子の陸が出迎えてくれた。







おすずが居ると言われた部屋に案内された雪美は、室内の中を見て言葉を失う… 雪美の目に入ったのは咲夜がおすずに愛撫する姿だった。



「嘘…」



どうし、て… あり得ない… 何故咲夜とおすずさんが… やだ… 雪美の反応を見てニヤニヤ笑う陸。



「何かの間違いよ… うん。そう、間違い… 帰りま…」



雪美は帰ろうとするが、陸は雪美の髪を掴んで引っ張り引き戻す。



「目に焼き付けときな、あの2人は影で愛し合ってんだ」



「離して!やだ!私は、おすずさんが話しがあるというから来たのに!!!!」



雪美の叫び声に気付いた咲夜は愛撫を辞め " ゆき!? " と、声をかける。



「あーあ、早かったね?今取り込み中だったんだよ!」



さく、どうして?私との約束は?



ずっと一緒だって… 目の前に居る咲夜が遠い人のように感じる。



「ゆ、ゆき… 」



「… 帰ります」



咲夜と目が合った雪美はそれ以上何も言わず、おすずに頭を下げそのまま屋敷を出て行った。



ゆき、ごめん… ゆき … 謝って済む問題ではないと分かっている。



それでも咲夜は雪美の後を追いかけた。