「ちょ… それはゆきの… 」



塩焼き屋に到着すると、店には咲夜とさっきの女が居て、女は咲夜から鮎の塩焼きをふざけて取りあげる。



なんで… やだ…
何でその子と一緒に居るの?







「さく… 「あ!用事思い出しちゃったー。咲夜また今度ね!ゆきちゃんもまたねー!」



この女の名前は遊亜 (ゆあ)



私が1番で誰より可愛いと思い込み、咲夜に全く相手にされていなくとも咲夜と被せてマウントを取る… 自分に恋仲の男が居たとしても関係ない。



あわよくば咲夜と付き合えるかもしれないと誰に対しても " 私は咲夜と特別な関係 " だと匂わせるのが大好きな女。



「ゆきどうした?ゆきが来るって言ってたから鮎の塩焼き買って2人で食べようと思って… 」



咲夜に対し、拗ねてふいっとする雪美。



「いらない… あの子にあげたくせに」



咲夜を残し、その場を立ち去ろうとした雪美の腕を掴んで引き止めた咲夜は " ゆき?何怒ってる? " と、心配そうな表情を浮かべる。



「…怒ってない」



あの子は誰?咲夜にとってなに?私は思わず咲夜の手を振り払ってしまう。



「怒ってるよ、どうした?」



「川下り…行くの?」



「え、今から?あー、最後の船なら間に合うかな?行きたいのか?」



「…もういい!ばか!」



鈍感、大嫌い!完全に拗ねた雪美は咲夜を残して自分の家に猛ダッシュした。