ーー 時間なんて止まればいいのに。



私は誰よりも咲夜が好き、好きで好きで堪らない、私の命を変えてでも大切な人。



さくだけは絶対手放したくないの。この幸せがずっと変わらず続けばいいのに…



走りながらそんな事を考え咲夜に見惚れていると、雪美の視線に気付いた咲夜は走るのを辞めて振り返る。



「… ん?団子食いに行くんだよな?」



突然の咲夜の問いかけに雪美は嬉しそうに頷き、自分の腕を絡めて抱き着く。



咲夜は " 歩きずらいよ… ゆき " と、言いながらも満更じゃなく照れくさそうに笑っていた。



「照れてるの?だって… こんな風に街中を2人で歩けるなんて嬉しいじゃない?さくいつも居ないんだもん」












ーー 団子屋到着。



雪美の歩幅に合わせてゆっくり歩く咲夜は照れ臭そうに笑う。そんな咲夜の頬を指でつつき、ワザと拗ねたフリをする雪美。



「ゆきはずるい、甘える時はさくと呼ぶ。期待してしまう色々… 」



咲夜は雪美の頬を愛おしそうに撫で、自分の唇をゆっくり雪美の唇に近付ける。



「あ、あああ、ねえええ、咲夜!!」



唇と唇の距離に顔を赤くした雪美は恥ずかしさのあまり慌てて咲夜から顔を背ける。



「…そろそろ口付けぐらいさせてくれてもいいんじゃないか?」



雪美の反応にムスッとし甘えるように強請る咲夜は、再度雪美の唇に自分の唇を近付け…



甘える咲夜に対し堪らなく愛おしさを感じた雪美は、そのまま目を閉じ… 団子屋の前で優しく触れるだけの口付けをした。