ーー 政条家に到着。


雪美は大きなお屋敷の門を開け大声で " さくーーー!出てこーい!" と大声で叫ぶと、出て来たのは綺麗な蓮稀と咲夜の母上。


びしょ濡れになった雪美の姿を見た蓮稀と咲夜の母上はものすごく心配し、雪美の体を触る。



「ちょっとゆきちゃんずぶ濡れじゃない!」



「母上母上、咲夜はー?… さく!」



今の雪美は咲夜の事しか頭にないんだろう。びしょ濡れになった雪美を心配する蓮稀と咲夜の母上の話しよりも咲夜を探す。



「… 何度も呼ばなくてもここにいる」



雪美が遊びに来た事に気付いた咲夜は、母上と話す雪美の後ろから近付き、雪美の頭をぽんぽんと叩く。



「あ、さく!!!」



咲夜の姿を見た雪美は嬉しくなり、全身ずぶ濡れなのを忘れて思いっきり抱き着く。



「冷た… ゆき、川にでも落ちた?」



「突き落とされたの、彼岸花の泉に」



しょぼんとする雪美に対して咲夜は " 突き落とされたのに元気だな… " と、言いながら濡れた雪美の髪を優しく撫でる。咲夜に髪を撫でられ嬉しそうな雪美。