「あのさ、のどかちゃん。俺の彼女にならない?」

「・・・・・・・・・え・・・?」


今、なんて・・・・・・


一瞬時が止まったんじゃないかって思えるくらい、さっきまで色々考えていた頭の中が真っ白になった。


「俺の彼女になってよ。あとで振ってくれてもいいから、ただ今はうんって頷いて欲しい」

「え、えっと・・・・・・う、うん・・・?」


ノーとは言わせない、言えない雰囲気に思わず頷いてしまった。


「っしゃ。・・・俺さ、のどかちゃんの笑った顔好きなんだよね」


そう言って「はい出来た」と立ち上がった翔吾くん。膝には大きなキズなんとかパッドが綺麗に貼られていた。


だめだ、情報量が多すぎて頭が整理できない。


ガサゴソと救急箱を片付けている目の前の彼。


笑った顔が好き・・・


好きって、あの、好き・・・?


私・・・彼女になったの?


翔吾くんが彼氏・・・?


え・・・付き合ってる・・・ってこと?


「じゃ、俺行くわ。体育終わったら教室戻っておいでよ。・・・・・・あ、俺がここでサボってたこと内緒な」


最後にニッと笑って保健室を出て行った。