校舎に入って廊下には誰もいないことを確認すると、涙が溢れた。


っ、


悔しい。


痛い。


辛い。


「うぅっ・・・」


拭っても拭っても涙が溢れる。


そうしているうちに保健室に着き、ドアを開けた。


保健の先生は怪我が痛くて泣いてるって思うかな・・・。



「のどかちゃん?」


っ!


目の前のソファでくつろいでいるのは保健の先生、ではなくて・・・・・・翔吾くんだった。


一気に涙が引っ込む。


マズい・・・顔見られたよね・・・


咄嗟に下を向いて保健室を出た。


「待って」


足が痛くて走れないからすぐに翔吾くんに捕まってしまった。


「そんな怪我してどこ行くの。保健室、今俺しかいないから」


そう言って、俯く私の腕を引いて保健室に戻るとソファに座らせた。