彼女の(みどり)からのお出迎え。

「あ、おかえり。

成司|《せいじ》さぁ、最近やたらと外でご飯食べてくること多くない?

まだ結婚しているわけじゃないし、成司のお金なんだから、別に文句は言わないけど。

……遅くなるなら連絡くらい、してほしい」

碧のことだ。

その後に、言葉にしきれない本心があるのだろう。

ただ、その後に彼女が言葉を付け足すことはなかった。

「言いたいことはそれだけ?

明日も早いから、シャワー浴びて寝るわ」

「え?
ちょっと!

夕飯、成司の分も残しておいたのに!

もう!

そんな態度取る人には今後夕飯作らないからね!

成司なんて知らない!」


元は分譲マンションだったのが、建て売りになった。

そこが良いタイミングで空いたので、
俺の両親の勧めもあり、そのマンションを碧と2人で借りた。

俺の父親は不動産会社の社員だ。
今は管理職だそう。

「ったく。
こんなはずじゃ、なかったのに」

碧の作るご飯、彼女なりに栄養バランスが考えてあって、好きなのにな。