思いもよらない言葉に、涙があふれてくる。



「今日も聞こえました」



涙を拭いても、次々と嬉しい気持ちは頬を滑っていく。



「……魔法の言葉」

「魔法?」

「私が、頑張れる、魔法の言葉です」



私の言葉に大友くんは「あぁ、あれかー」と、笑った。





そう、聞こえたんだ。

舞台に立った時。

誰かが言ってくれた。



『いいぞ!頑張れ!!』



絶対に間違えない自信があった。

私を強くしてくれる、大友くんの魔法の言葉だった。



「あの、大友くんの話って?」
と、改めて聞くと、大友くんはこう言った。



「好きだって、告白しようと思ってたんだ」



そして、笑った。

花束みたいな、キラキラの笑顔で。




私もつられて笑顔になる。

その笑顔が、どうか花束みたいでありますように。

そう思った。






      ーーー完ーーー