大友くんは目を丸くしている。
それから「えっ、うそ」と、短く呟いて、
「本当に?」
と、私を見つめる。
「好き、です」
もう誤魔化せないと思い、私はもう一度、自分の気持ちを言葉にした。
すると大友くんの口元がニイッと横に伸びて、
「嬉しいっ!」
と、小さく叫んだ。
えっ!?
てっきり振られると思っていたのに、大友くんはニコニコしている。
「あ、あの……?」
戸惑う私。
大友くんはそんな私を見て、楽しそうに笑った。
「言っておくけど、オレのほうが先に好きだったと思う!」
「えっ!?それは、さすがにない……」
「知らないと思うけど、オレ、去年の体育祭で貝塚の頑張りを見た時からだから」
「……うそっ」
大友くんは「嘘じゃないよ」と、小さく頭を掻いて、
「あんなに頑張ってる姿、すっげーかっこいいに決まってるじゃん。惹かれないほうが難しいよ」
と、言った。