「貝塚!待って!!」
と、大友くん。



「大友くん!」

「オレ、貝塚に言いたいことがあって」

「あ、私も……!」



今日までのことについて、お礼が言いたかった。

大友くんは、「先に言って」と、私の言葉を待ってくれる。



「勇気をくれて、ありがとう。大友くんのおかげで私は頑張れました!!」

「うん」

「大友くんがくれた言葉が全部、力になりました!本当に本当に、ありがとうございました!!」

「いや、オレは別に……」
と、照れたように俯いた大友くんに、
「ううん、大友くんがいてくれたからだよ」
と、言葉を重ねると、
「なんで?」
と、尋ねられた。



「なんでって?」

「オレがいたからってなんで?」

「……」



その時。

私は思わず、本音を漏らしていた。




「……だって、好きだから」




言ってしまって、ハッと気づき、どんどん顔が赤くなっていくのがわかる。