押しきられるままに、私は広瀬さんの言ったとおりにメイクをする。うんこれくらいなら、メイクしてないように見えるかな? 間違っても『目立たず、おとなしく、真面目な優等生』じゃない、派手な子に見えてなかったら良いのだけど。


「じゃあ今から出かけよう。せっかくかわいくなったし」


「えっどこに?」


 いつもと違うファッションと、わずかにメイクした顔。広瀬さんのファッションやメイクに比べると控えめとはいえ、このままで出かけるのは抵抗がある。だって『目立たず、おとなしく、真面目な優等生』じゃない私なんて、認められるはずがないから。