「みんなそうだよ。思いを口にするのはみんなが怖い。でも怖いのは諦めてるからだよ。最初から諦めてるから怖いんだ。だったら少しだけ勇気を出してみなよ。前に進めるから」


永峰先輩はすごい…。


先輩の言葉は前向きで、私のぐちゃぐちゃになっていた気持ちを簡単に溶かしてくれる。


「大翔先輩は私のこと覚えてなかった。高校に入って、初めましてって言われたときすっごく悲しくて…。先輩には私が先輩を嫌いだって誤解されちゃうし…」


「覚えてなかったかどうかはわからないよ。それにさ、覚えてたって覚えてなくたって関係ない。誤解だって解けばいい。お互いの今の気持ちしかいらないよ。覚えとけ?大事なのは今ってこと」


大事なのは…今?


言っても、いいの…?


大翔先輩に好きって、伝えてもいいの…?


「行っといで」


そうやって永峰先輩が背中を押してくれるから、ちょっとだけ頑張ってみようって思った。


「先輩、ありがとうございます」


「ん。お前は笑っててくれた方がいいからな」


先輩の笑顔が勇気をくれる。


永峰先輩…。


恋とは違うけど、先輩も大好きです。


勇気をくれてありがとう。