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「ねぇ、これちょうだい!!」
「う、うん。いいけど……」

オルゴールを火切りにしたように花子は週に3回は絵美の部屋にやってくるようになった。
その度になにか自分の欲しい物を見つけては『これちょうだい!』と言ってくる。

幸い花子が欲しがるものはすでに絵美にとって興味が薄れていたものばかりなのであげていたのだけれど、さすがに上げ過ぎかもしれないと思うようになってきた。

今日花子が欲しがったのはお菓子についてくるオモチャのネックレスだ。
小学校3年生の頃に絵美が集めていたものだった。

もう首にかけることもないし、別にあげてもいいものだったけれど、花子が使うとも思えない。
「ねぇ花子ちゃん。お父さんからお小遣いをもらってるよね?」

オモチャのネックレスを首にかけて喜んでいる花子に聞いてみた。
絵美は今のお父さんから月に3000円のお小遣いをもらっている。