私が、リラックスした影響か眠りこけてしばらくして。

目が覚めてみれば、レイくんがちょうど顔を覗き込んできていた。


「…ん……レイくん?」

「おはよう。よく眠れた?」

「うん、お陰様で」


微笑んで返してから、いい匂いを感知して視線を移す。

その先には、美味しそうなご飯。


「夕ご飯だけど、食べる?」

「食べる!」


レイくんいわく、ご飯は構成員がみんな揃うから、明日の朝から食卓で食べた方がいいらしい。

今日は、ゴウさんが食事時間に構成員のみんなに私の件を伝えてくれるみたい。

レイくんは、今から私と夜ご飯。

思いがけず同棲のような感じになって嬉しいやら恥ずかしいやら。

そんなこんなで、私たちは夕ご飯を食べた。

レイくんの食べ方が綺麗だったりとか、レイくんは好きなものを最後に残す派だとか、いろんなことを知れて嬉しかったり。

そして。

夜ご飯を食べ終えて、食器が乗ったワゴンを構成員の人に渡して。

私とレイくんのカフェオレとコーヒーを、レイくんが持ってきてくれたあと。

私は、レイくんに向き直った。


「レイくん、あの、聞いてほしいことがあって」

「……」

「私と貴也くんとみんなの、過去のお話」


『大事な話があるから、今度聞いて欲しい』

『レイくん。私もね、隠してたことがあるんだ』


レイくんは、私の隣に腰を下ろして頷いた。


「話してほしい。果音のこと、全部知りたい」


私も、レイくんには全部知ってて欲しいから。

私は、決意を胸に話し出した。