なーんちゃって!
やっぱりこういうのは心の中でもやめたほうがいいなあ。
まったくもって似合っていない。
例えるならば、スキンヘッド体育教師に魔法少女コスプレを施す気分だ。
とにかく、そんなエレガントが似合わない私は今日から高校2年生だ。
そして、新年度早々とても眠い。
心地よい陽気がどうこうと言ったが、それのせいで眠い。
眠気を覚まそうと窓を開けたものの、良い風がさらに眠気を誘ってきた。
かといって窓を閉める強い心は持ち合わせていない。
いっそカーディガンに静電気を貯めて自分で食らおうかとおもむろに下敷きを取り出した、そのとき。
「ホームルーム始めるぞー」
今年担任となる先生が入ってきた。
見ると、そこには去年散々補習でお世話になった先生が。
龍澤 聡先生。
数学のイケメン先生だ。
龍澤の龍をドラゴンと考えて、ドラちゃんというあだ名がついている。決してタヌキというわけではない。
授業はとってもわかりやすいんだけど、私は応用問題がとにかく苦手なので補習…うう、悲しい。
今年もどうやらお世話になりそうだ。
ドラちゃんは軽く自己紹介を済ませて、ちらりと私を見た。
「転校生を紹介する、入れ」
ん?転校生?
もしや、と私は誰も座っていない隣を見やる。
もしかして、私の隣…?
どんな人が来るんだろう?
眠い目をこすりながら、入ってくる転校生を見る。
きゃーっ、と教室のどこかで女の子の黄色い悲鳴が聞こえた。
「わーお」
悲鳴は出していないものの、私の眠気もさあっと消えていく。
そうなるほどに、転校生の人はかっこよかった。
スラッとした男の人。
ツヤツヤした髪と切れ長の目は夜空のような真っ黒。
カーディガンとブレザーとの選択制の上着はブレザーを選んでいる。
クールそうな、とってもイケメンな転校生。
えーっと、なんていうんだっけ、容姿端麗?
世界中のイケメン要素を集めた結晶みたい。
この人が隣かあ、なんかすごいな。
イケメンさんは全体をサッと一瞥してから口を開く。
「ども。三ツ瀬 澪です、よろしく」
ふむふむ。レイ…レイくんね。
レイくん、声もかっこいいなあ。
すごい人が転校してきたものだ。
スタスタと無表情で隣に座ったレイくんに、私は笑いかけた。
「私は結野 果音。よろしくね!」
「…ん。」
素っ気ない返事を気にすることなく、私は窓の外を見やる。
…この下敷き、いつしまえばいいかなあ。
と、静電気のために取り出したものの行き場をなくした下敷きを、パタパタさせていたのだった。
やっぱりこういうのは心の中でもやめたほうがいいなあ。
まったくもって似合っていない。
例えるならば、スキンヘッド体育教師に魔法少女コスプレを施す気分だ。
とにかく、そんなエレガントが似合わない私は今日から高校2年生だ。
そして、新年度早々とても眠い。
心地よい陽気がどうこうと言ったが、それのせいで眠い。
眠気を覚まそうと窓を開けたものの、良い風がさらに眠気を誘ってきた。
かといって窓を閉める強い心は持ち合わせていない。
いっそカーディガンに静電気を貯めて自分で食らおうかとおもむろに下敷きを取り出した、そのとき。
「ホームルーム始めるぞー」
今年担任となる先生が入ってきた。
見ると、そこには去年散々補習でお世話になった先生が。
龍澤 聡先生。
数学のイケメン先生だ。
龍澤の龍をドラゴンと考えて、ドラちゃんというあだ名がついている。決してタヌキというわけではない。
授業はとってもわかりやすいんだけど、私は応用問題がとにかく苦手なので補習…うう、悲しい。
今年もどうやらお世話になりそうだ。
ドラちゃんは軽く自己紹介を済ませて、ちらりと私を見た。
「転校生を紹介する、入れ」
ん?転校生?
もしや、と私は誰も座っていない隣を見やる。
もしかして、私の隣…?
どんな人が来るんだろう?
眠い目をこすりながら、入ってくる転校生を見る。
きゃーっ、と教室のどこかで女の子の黄色い悲鳴が聞こえた。
「わーお」
悲鳴は出していないものの、私の眠気もさあっと消えていく。
そうなるほどに、転校生の人はかっこよかった。
スラッとした男の人。
ツヤツヤした髪と切れ長の目は夜空のような真っ黒。
カーディガンとブレザーとの選択制の上着はブレザーを選んでいる。
クールそうな、とってもイケメンな転校生。
えーっと、なんていうんだっけ、容姿端麗?
世界中のイケメン要素を集めた結晶みたい。
この人が隣かあ、なんかすごいな。
イケメンさんは全体をサッと一瞥してから口を開く。
「ども。三ツ瀬 澪です、よろしく」
ふむふむ。レイ…レイくんね。
レイくん、声もかっこいいなあ。
すごい人が転校してきたものだ。
スタスタと無表情で隣に座ったレイくんに、私は笑いかけた。
「私は結野 果音。よろしくね!」
「…ん。」
素っ気ない返事を気にすることなく、私は窓の外を見やる。
…この下敷き、いつしまえばいいかなあ。
と、静電気のために取り出したものの行き場をなくした下敷きを、パタパタさせていたのだった。