「あの、ランパーさん、色々と兄が申し訳ありませんでした」
「ああいや、俺は別に問題ありません。全然大丈夫です」

 そこでラナーシャは、ランパーに謝罪した。
 彼女は、恥ずかしそうにしている。先程のやり取りを、見ていたからだろう。
 それに対して、ランパーは首を横に振る。彼の気持ちは、既に固まっているらしい。

「ラナーシャさん……いいやラナーシャ、その、俺の気持ちはもう固まっている。俺は、君のことが好きなんだよ」
「ランパーさん……」

 ランパーは、ラナーシャに対する気持ちをはっきりと口にした。
 やはり彼らは、相思相愛なのだろう。ラナーシャの嬉しそうな顔から、そのことが伝わってくる。

「私もです。ランパーさん、あなたさえよろしかったら、私をお嫁さんにしてください」
「ああ、もちろんだとも……」

 ランパーは、ラナーシャの手をそっと取った。
 それを見た私とマグナス様は、顔を見合わせて笑い合う。
 私も彼も、この結末を望んでいた。それが見られて、とても満足である。

「ランパーさん……」
「ラナーシャ……」
「ふむ……まあ、とりあえず丸く収まって何よりだ」
「あっ……」
「うっ……」

 ハワード様は、ゆっくりと拍手をしていた。
 それによって、二人はこちらを向いた。どうやら、二人の世界から帰って来てくれたらしい。
 流石にここで口づけなどは、まずいと思ったのだろう。二人は姿勢を正してこちらを見てくる。