私は舞台から降りて出口に向かうレン先輩を見送って、集まってくれた人たちに声をかける。
「みんな、力を貸してくれてありがとうございました!このあとの、私たちの勝負も見守っていてくれるとうれしいです」
「「「おう!」」」
はなしかければ、声をそろえて答えてくれる。
それがなんだかなつかしくて、胸にじんときて…うるんでしまった目を、まぶたの裏にかくした。
もう、みんなに無視される私じゃない。
ミスコンが始まるのは、20分後。
それまでに、舞台袖に用意したドレスに着替えて、心の準備をしなきゃいけない。
一般生徒にも公開した一大イベントになるから、音楽をかけたりする裏方役もいるし。
これは、紫くんが名乗り出てくれたんだけど。
「よし…それじゃあ、着替えよう」