改めてまえを向いて、目測で人数を数えていく。

私たちのまえにならんでくれているのは、だいたい…50人くらい。

対する、赤史たちのほうは…20人いるかいないか、ってところ。


これは、まちがいなく…!




「俺たちの勝ちだね、総長?」


「くっ…こんなこと…!」


「赤史くん…」


「これだけ差があって認めないなんて、いくらなんでも情けないんじゃないの?赤史」




体を向けて言うと、顔をくしゃくしゃにゆがめた赤史は、「まだ」と言った。




「まだ、ミスコンが残ってる!マスクを外せない二葉(ふたば)じゃ勝ち目はないだろ!」


「…」


「自分がみっともなく負けたからって、女の子を攻撃?なっさけない総長だなぁ。マスク姿がかわいくないなんて、だれが決めたの?」