「今日はうちのクラスに転校生が来る。…入っていいぞ」




え、と目を丸くすると、まえの扉がカラカラと空いて、ピンク色の髪をした女の子が入ってきた。




「はじめまして。仁科(にしな)(もも)です。好きな果物は桃で、好きな動物はモモンガです。よろしくお願いします」




ふわりとほほえんだその子は、女の子らしい女の子といった感じで…目をうばわれるほど、かわいかった。




「先生、1時間目は転校生の歓迎会にしようぜ。ドッジボールやろう」




赤史がこれさいわいとばかりに提案すると、先生は「そうだな」なんてうなずいてしまう。

赤史がただの問題児で終わらないのは、こういうところ。

自分がやりたいことに、周りを巻きこむ力があるんだよね。




「ドッジボール…楽しそう…!ありがとう、歓迎会してくれるの、とってもうれしい」