「それなら休み時間にやって！」


「１０分でドッジを楽しめるかっての。…行こうぜ」


「待ちなさい！」




扉のまえに回りこんで、教室から出ようとする赤史を止める。

テストで赤点ギリギリのくせに、サボりぐせだけは立派なもの。

総長としても、そんな態度じゃみんなに示しがつかないでしょ。


赤史とにらみ合いをしていると、キーンコーンカーンコーン、とチャイムが鳴って、教室のまえの扉が開いた。




「みんなー、席につけー」


「ほら、席にもどる！」


「チッ…」




赤史は不満そうな顔で自分の席にもどる。

私はそれを見届けてから着席した。

クラスメイトのみんなもガタガタと席に着くと、先生が「おはようございます」とあいさつをして、ホームルームを始める。