教室に入ると、クラスメイトの女子が赤史を横目に見て、ぐいっと近づいてくる。
赤史は赤史で、男子たちに囲まれていた。
「天間くんとはもう付き合ったの?」
「い、いやっ、付き合うとか、そういうのじゃないからっ…!」
「え~、でも総長と姫ってそういう関係なんでしょ?」
「私たちは例外。去年も姫やってて慣れてるから、サポートがてら姫続けてるだけだし…」
「でもでも、2人って去年からいい感じじゃん?」
周りがなぜかそう言ってるだけだけどね…。
私は苦笑いして、「そうかな」とあいまいに流した。
「なぁ、1時間目サボってドッジボールしようぜ」
この声、赤史!
「ちょっと、授業はちゃんと受けなきゃダメでしょ!」
「うるせーな、集会で疲れたんだよ。ちょっと体うごかすくらいいいだろ」