「だから、どんどん綾乃さんに近付きたくなってる僕は大丈夫なのかなって思います。いつか、綾乃さんをもっと怖がらせちゃったらよくないって思うのに、…でも。」

 それでも伸ばす手を止められないときがある。

「好きならそりゃ抱きしめたくなるって。つーかキスもしまくりてぇし。」
「そうなっちゃっても、…いいんですか、ね…?」
「うん。健人のもつ優しさとかあったかさとか、まぁ愛とか?そういうもんで綾乃を満たしてやってよ。そういうあったかいものにくるまれてるうちに、多分綾乃の体も心も解けていくと思うからさ。こういうの、年下に頼むのもどうよとは思うけど、まぁ頼むわ。」
「…期待に応えきれるかはわからないですけど、頑張りは、します。」
「うん。あ、セックスのハウツー本、確か家にあったはずだから今度貸す。」
「えっ!?」

 いきなり飛躍した話に健人にしては珍しく大きな声をあげてしまう。