「私こそ……あんな場所で”好き”って言って……急すぎたよね、ごめんなさい」
「暮石さん……ううん、そんな事ないよ」
力なくニコリと笑った花崎くんは、照れ臭そうに頬をかいた。
「だって俺、嬉しかったし」って言いながら。
「え……?」
花崎くん、今……なんて言った?
嬉しかったって、そう言ってくれたの?
「私の告白……迷惑じゃなかったの?」
「そ、そんなことないよ!」
花崎くんは、少しおこった顔をして。だけど耳まで赤くそめて。
「迷惑なんて、あるわけないよ」って、そう言った。
「変な話なんだけどさ。今日の朝、暮石さんと黒瀬が手をつないでるのを見た時……なんか、イヤだったんだ」
「い、いや……?」
「うん……」
顔を下げて、花崎くんは……何もしゃべらなくなった。
え、なんて反応をしたら、いいんだろう。「そうなんだー」って、軽く流した方がいいのかな。
なんて思っていた、その時。