このドキドキは、きっと……
――気持ちは嬉しい……だけど、ごめん!
昨日、花崎くんに置いて行かれた悲しさを思い出す。
あぁ、そうか。このドキドキは……心臓が切なくなる方の、ドキドキだ。
「こ、ここじゃ……ダメ、かな?」
「ここじゃ……ちょっと」
「……」
どうしよう、どうしたらいいんだろう。
私、花崎くんについて行った方がいいの?
だけど……また、恭子ちゃん達がいたら?
また私を裏切って、一人にするんじゃないの?
「……っ」
花崎くんのお願いを、聞いてあげたい。
だけど……怖い。
「暮石さん、お願いだから……」
「ッ!」
そんな事を言われても、どうしたら……っ。
動かない足に、どうやって力を入れるのか忘れるほどの緊張が、私をおそう。
息がしづらい、目もグルグル回る。
気持ち、悪い……っ。
だけど、その時。