「雫ちゃんなら絶対に大丈夫だって! 今日、黒瀬くんとウワサになった時も、なんだか嫉妬してるような目で、雫ちゃんの事を見てたもん!」

「え――」



ほ、本当に?

花崎くんが、私のことを……?



心臓がキュッとなって、ドキドキって、スゴイ音を立てて鳴っている。

本当にそうなら嬉しいって気持ちと、恭子ちゃんが言うんだもん、絶対そうに決まってるよって信じたい気持ちと。



「い、行って……みようかな」

「雫ちゃん、~うんッ!」



恭子ちゃんに手を引っ張られ、花崎くんが待っている廊下へと急ぐ。

その間、私の頭の中では……



『雫ちゃん、一緒に帰ろう』

『花崎くん……、うん!』



告白した後、付き合う事の出来た私と花崎くんを想像していて。

その想像が、とても幸せで……



「お待たせ、花崎くん!」

「恭子ちゃん、……と、暮石さん?」



だから、分からなかったんだ。



この先に、どんな展開が待ち受けているかなんて――