――心配しないといけないのは、暮石自身だぞ



「あんな事を言われちゃ、何にも手につかないよ……」



結局、黒瀬くんの意味深な発言がずっと気になってしまい……授業に集中できないまま、一日を終えた。





「はぁ、なんだか集中できない一日だった……」



カバンの中に、ノートを詰めていく。教科書は……重たいから置いて帰ろう。



「忘れ物なし。よし、オッケー」



ヨイショと。

少し重くなったカバンを手に持った、その時だった。



「雫ちゃ~ん!」

「え、恭子ちゃん!」



いきなり、教室に恭子ちゃんが入って来た。ずっと姿が見えなかったから、てっきり帰ったんだと思ってた。

良かった、「バイバイ」って挨拶できそう!