「うん?」
「さっき日比谷のことを心配してたけどさ」
「恭子ちゃんのこと?」
えっと、それって確か……。
――やっぱり怖いグループだな……。恭子ちゃんが心配だよ……
あぁ! あれのこと!
「思い出した」という顔をした私を見て、黒瀬くんはきょろりと辺りを見渡した後。私の耳に近づいた。
それは、いきなりのことで。
本当に、いきなりすぎて。
私は驚くひまもなく、黒瀬くんの話を聞く。
それは――
「心配しないといけないのは、暮石自身だぞ」
「え?」
「じゃな」
そんな、ナゾの発言。
「今のって……どういう意味?」
だけど黒瀬くんは、サッといなくなってしまった。同時に、先生が教室に入って来る。
あ、そろそろチャイムが鳴るのかな?
これから苦手な算数の授業だから、気合をいれなくちゃ!
と、思っているのに……