「死にたい。」


「………そうか。」




早ノ瀬くんの掴む手が少しだけ緩まった。


そのことにズギッと胸が痛くなる。


あんだけ離せって言ってたのに。

死のうと思ってたのに。


いざ離されたら胸が痛いだなんてなんで馬鹿なんだろう。


自分が情けなくなってハハッと笑う。



───── けど、この男は決して私を離そうとしたわけじゃなかった。



「んっ。」


傷ついた心に優しいキスが沁みた。


「なん、で。」


ただこっちをむいた真っ直ぐな綺麗な目は愛し気に目を細めていた。



「愛してるっていったろ。
死にたいだなんていうな。
お前が愛されないっていうならお前を愛されないっていうなら俺がお前を愛す。

ずっとそばにいるから。




───── 一生かけて1億倍の愛を注ぐから。


「だから俺のそばにいろ。」