「いやっ!離して離してよ!!
もう嫌なの!苦しいの!
死にたいの!
分かんないでしょ!?
みんなに恵まれてるあんたには私の気持ちなんか!!
誰にも愛されないの!」

橋の上から飛び降りてしまおうと下を見つめる。

頭に浮かぶのは「死にたい」という思いばかり。


だから離してほしいのに。


1番近づいてほしくないあなたが私の死を止める。



早ノ瀬くん。
あなたは私がいなくなっても何も困らないはず。


ただのクラスメイトだから。
遠くから哀れな目でいつも見つめてること知ってるの。


笑顔振りまいて。
みんなにいい顔して。


みんな裏では八方美人なんて言ってんの知ってる。


だから、私がいなくなっても気持ちは動かないはず。




私がいなくなっても誰も悲しまないの………。



だから。だからっ!



この手を離してよ………………。



「離して。離してください。」

「嫌だね。
俺は死のうとしているお前を死なせない。
1人にしない。」

「なんで……。」