伝えなくては。咄嗟にそう思った時には、もう唇が動いていた。

「亮介さんが好きです」

ずっと言葉にできなかった想いを声に乗せる。

「結婚を提案された時は、正直とても戸惑いました。でも……仕事へのひたむきな姿勢も、甘えてもいいのだと包み込んでくださる優しさも、時折見せる独占欲も、今は亮介さんの全部が好きです」
「凛」

夢見心地で一気に気持ちを伝えると、驚きに目を瞠っていた亮介がたまらずといった表情で眼前に迫り、唇を奪われた。

「ん……っ」

これまでのように凛を気遣い、優しく蕩かすようなキスではない。

亮介の滾る想いをぶつけるような荒々しく野性味のある口づけに、凛は翻弄されるままに身を任せる。

そのまま凛を横抱きにした亮介は、真っすぐにベッドルームへ向かった。