「君に恋人がいると知っていたから、秘書としてそばにいてくれればそれで満足だった。だがあんなことになって、黙ってはいられなかった。傷ついている君に気持ちを打ち明けて迫るよりは、メリットがあるとビジネスライクに提案した方が確実に囲い込めると思った」
「亮介さんが、私を……好き?」
「なにを驚くことがある? 言ったはずだ、生涯君を妻として大切にし、愛していきたいと」
「そ、それはいずれは、という意味で、大切にするよう努力してくださっているんだと……」

片眉を上げて疑問を投げかける亮介に、凛はドキマギしながら言い訳する。

まさか専属秘書になった頃から想われていたなんて、想像もしなかった。

「そうか。やはり俺は言葉が足りないらしい」

亮介はそう言うと、唇が触れそうなほど近くで見つめてくる。

「凛を愛している。いずれではなく、今も、これからも、ずっと」

愚直なほど真っ直ぐな告白は心の奥まで温かくさせ、喜びが凛の全身を駆け巡った。