「君は、この学校の生徒?」

「…うん、二年生。」

僕はこの春から高校二年生だ。

「そっかぁ。
私もこの春から
この学校に居るのよ。
名前は、
藤宮 菜々花(ななか)。
よろしくね。」

「僕は、
宮原 悠稀斗(ユキト)。
よろしく。」

その時、学校のチャイムが鳴った。

「あ、いけない。
遅刻しちゃう。
宮原くん、またね♪」

彼女は去って行った。

僕はその後ろ姿を
ぼーっと見つめていた。

「…っと、やば。
あの人が遅刻なら
僕も遅刻じゃん。」

そうつぶやいて
校舎へ入る。