「まさか神様がこんなに素敵な人だったなんて」
「薫子が着ている着物も、神様が用意したんですか?」
あとから聞こえてきた声は千桜のものだ。
ふたりはくすくすと楽しそうな笑い声をあげている。
「神様の生贄になった薫子が可哀想と思っていたけれど、こんなに素敵な生活をしているなんて」
「そうよ。それなら私達が生贄の花嫁に名乗り出たのに」
「妻はひとりで十分だ」
切神の言葉に薫子の心臓がドクリと跳ねる。
ふたりへ向けてちゃんと妻と言ってくれたことが嬉しくて顔が熱くなるのを感じる。
これ以上の立ち聞きはよくない。
思い切って戸を開けたそのときだった。
薫子が目にしたのは信じられない光景だった。
千桜と冴子は着物の前を開け、太ももを顕にして切神にまとわりついていたのだ。
そのあまりの光景に言葉を失い、持っていたお盆を落としてしまう。
足元にお茶がこぼれても薫子はなんの反応もできなかった。
「薫子が着ている着物も、神様が用意したんですか?」
あとから聞こえてきた声は千桜のものだ。
ふたりはくすくすと楽しそうな笑い声をあげている。
「神様の生贄になった薫子が可哀想と思っていたけれど、こんなに素敵な生活をしているなんて」
「そうよ。それなら私達が生贄の花嫁に名乗り出たのに」
「妻はひとりで十分だ」
切神の言葉に薫子の心臓がドクリと跳ねる。
ふたりへ向けてちゃんと妻と言ってくれたことが嬉しくて顔が熱くなるのを感じる。
これ以上の立ち聞きはよくない。
思い切って戸を開けたそのときだった。
薫子が目にしたのは信じられない光景だった。
千桜と冴子は着物の前を開け、太ももを顕にして切神にまとわりついていたのだ。
そのあまりの光景に言葉を失い、持っていたお盆を落としてしまう。
足元にお茶がこぼれても薫子はなんの反応もできなかった。