「いかにも。私がここの神である」
切神は冷たい視線をふたりへ向けて冷たく言った。

薫子はどうして切神がふたりへ冷たくあたるのかわからず、手にしていたお土産を両手で持ち上げてみせた。
「切神さま。千桜と冴子のふたりがお土産を持ってきてくれました。さっそくお茶にしましょう」

「それなら私がいれてくる」
そう言って部屋を出ようとする切神を薫子が慌てて止めた。

「それは私の仕事です。切神さまは、千桜と冴子のふたりと話でもしていてください」
薫子はちらりとふたりへ視線を向けた。

ふたりは驚きの表情を浮かべたままだけれど、きっと切神とすぐに打ち解けてくれるだろう。
自分がそうだったように。

「それじゃ、ちょっと待っててね」
薫子は千桜と冴子へ向けて声をかけると、お茶をいれるために部屋を出たのだった。