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少人数の悪徳金貸しくらいなら簡単な偵察で住むらしい。
その日の夕方ころには切神は屋敷へ戻ってきていた。

「相手のことがわかったんですか?」
「あぁ。元々若い女がいる家の者にばかり声をかける金貸しだった。最初は金利ゼロだとうたっているが、途中から金利がつくようになっている。金を借りた方はそこの説明をよく聞く前に判をおさされているみたいだ。最後には家族から若い娘を奪って体で返済される。それを繰り返していたらしい」

切神の説明に薫子は顔をしかめた。
とんでもない連中がいるものだ。

金利ゼロと言われれば誰でも興味を持つ。
その後金利を跳ね上げるなんて、卑怯きわまりない。

「菊乃は大丈夫なんですか?」
「あぁ。あの子と金貸しとの縁はすでに切った。もう心配することはない」

切神の言葉に薫子は心底安堵したのだった。