心と美優が入ってきた。
「美月~、心配したよ。良かった。」
2人はホッとした様子で少し涙目だった。

「ごめんね、心配かけて。」私は2人に謝った。
「全然だよ。良かった。帰れそう?」
とっくに下校の時間は過ぎていたらしい。
「あ、うん、大丈夫。」私はベッドから降りた。

「じゃあ、私、先生に行ってくるね。」
心が保健室を出て先生に言いにいってくれた。

「美月、良かったよ。」
美優が抱き着いてきた。
「ごめんね。」私はまた謝った。

「陸玖くんね、美月が倒れた瞬間走って駆け寄ってきて、
美月を抱っこして、ここまで連れてきてくれたんだよ。
ずっと心配そうにしてたんだよ。」
私はその言葉に驚きを隠せなかった。

「陸玖くん、美月のこと嫌いなんかじゃないのがわかったでしょ!」
私は何も言えなかった。
まさか陸玖が助けてくれるなんて思いもしなかった。

「家に帰ったら、ちゃんとお礼いいなよ。」
美優がそういうと、心が先生と戻ってきた。

「もう大丈夫そうね、熱中症だったみたいね。
気をつけて帰ってね。」
先生はそう言って見送ってくれた。

心と美優と一緒に学校を出た。

「じゃあ、私はここで。美優ちゃんあとよろしくね。」
心は電車通学のため途中で別れた。

何度も断ったが、美優はわざわざ家まで送ってくれた。
「ありがとう。」
「どういたしまして。じゃあ、ゆっくり休んでね。」
美優は手を振りながら、帰って行った。