陸玖が真剣な表情になった。
「中は入れ」
私は陸玖の部屋に入った。

「は?迷惑にならないようにってどういうことだよ?」
陸玖が質問してきた。
「陸玖、私のこと嫌いでしょ?
だけど同じクラスになっちゃって、迷惑かけないようにしてた。」
私は素直に話した。

「え?俺、嫌いなんて言ったことある?
美月が俺のこと嫌いなんでしょ?
だから俺がいるといつも部屋にいるし、学校でも無視してるんだろ?」
私は陸玖の言っている意味がわからなかった。

「いや、私、陸玖のこと嫌いなんかじゃないよ。
ただ迷惑かけたくなかっただけ。
急に同居することになって、邪魔してるんじゃないかって。
学校でも話しかけない方がいいかなって。」
私は今までの思いを話した。

「なんだそれ!
俺はてっきり知らないうちに美月に嫌われるようなことをしてしまったんだと思ってた。
俺、美月のこと嫌いじゃないよ。
美月も俺のこと嫌いじゃないんだよな?」
私が陸玖を嫌いになるわけない。
むしろ好きすぎてどうにかなりそう。

「陸玖のこと嫌いなわけないじゃん。」
私はそこまでしか言えなかった。
『好き』なんて言えない。
言えるわけがない。

「じゃあ、普通にしようぜ。」
この言葉が凄く嬉しかった。

『陸玖と普通に話せればそれだけでいい。』