「蒼空の力になりたいよ…」


また、蒼空の手が止まった。


「花純。俺は、家以外で仮面を脱げる場所ができて救われてる。もう力になってくれてるんだよ」


蒼空の痣だらけの腕が伸びて来て、ポンッと頭に乗った。


「そんな顔しないでよ。俺は花純の笑顔が好き。ずっと見てたい」


「…っ!」


ずるいのは、蒼空だ…。


そんなセリフ、反則だよ…。


「動揺してる。かわいい」


!!!


可愛いだなんて…。


初めて言われた。


それも、蒼空から言ってもらえるなんて。


「千花ちゃん特製パンケーキ、冷めちゃうから早く食べな?」


「う、うん…。いただきます」


表面はサクっとしていて、中はふわっふわっ。


バターの風味が香ってきて、とても甘い。


「俺が大の甘党だから、超甘く作ってくれてんの。美味しい?」


「うん、美味しい!」


「よかった。なぁ花純。ずっとその笑顔でいてよ」


え…?